聖書と文盲
――聖書各巻の意図――
【目次】
⚫「聖書正典論」としての解釈として間違いはありません。
(聖書各巻の記述を要約したものではありません。「聖書各巻の意図むすび」をご参照ください。)
⚫上の孫娘(2004年8月20日)が生まれた時に書き始めた「聖書と文盲」を書き改めたものです。
⚫旧約聖書の配列は「70人訳聖書」に従いました。
⚫その配列は、信仰の「過去」(第一区分)、「現在」(第二区分)、「未来」(第三区分)になっています。
【第一区分(律法)・『過去』】
選民の「育成時代」です。他力(賜物)が強調されています。
【第二区分(書冊)・『現在』】
選民の「実践時代」ですから、自力(課題)と、「神の沈黙」が強調されています。
人に賭ける神です。
【第三区分(預言書)・『未来』】
「あるべかざるイスラエル・ユダヤ」がさばかれ、「あるべきイスラエル・ユダヤ(人としてのイエス)」が指示されています。
⚫新約聖書の配列は、前記、旧約聖書「70人訳聖書」の配列に倣っています。
信仰の「過去」(第一区分)、「現在」(第二区分)、「未来」(第三区分)です。
【第一区分(福音書)・『過去』】
「子なる神の時代」が示されています。
選民に約束されたメシア(キリスト)が来臨し、「神の国」を宣べ伝えましたが、指導者も民衆も、これを受け入れず、イエスを十字架につけました。
しかし復活し、昇天して、「神の子」であることが現実になったのです。
このことを四つの側面から記録しています。
マタイによる福音書は、「選民的救拯」。
マルコによる福音書は、「個人的救拯」。
ルカによる福音書は、「異邦人的救拯」。
ヨハネによる福音書は、「宇宙的救拯」。
【第二区分(書冊)・『現在』】
「聖霊なる神の時代」が示されています。
使徒行伝によって、教会の宣教の成育の跡がたどられ、次に来たるべき書簡の示す教会の現実の地盤である地的成長が跡づけられています。
書簡では、成長途上にある教会の「現実面」と「本質面」とが、種々の角度から描かれ、さばかれています。
【第三区分・預言書(黙示録)・『未来』】
第三区分は、第二区分の「現在」に立ってみられたものです。
そこに証言されているキリストは「後来りたもう者」としてですが、この証言者はその証言に当たって「今いまし、昔いまし、後に来られる方から、」という表現を用い、彼が「今」に立って、「昔」を想起し、「後」を待望しつつ、この証言を語っています。
「宇宙万物の再完成」です。